デジタル作品の保護基盤を考える。
イラストやLive2D、3Dモデルなどは、公開や販売のために、データそのものを利用者へ届ける必要があります。
作品を使う人の利便性を守りながら、無断取得や再利用にどう備えるか。既存の仕組みと不足している部分を調べ、実現可能な政策として提言します。
技術的保護格差とは
非映像分野にも、電子出版、積層造形、電子設計IPなどの用途別保護基盤と、静止画像・GPU向けの保護技術が存在します。一方、本書が2026年8月28日までに確認した公開一次資料の範囲では、一般Web環境で複数形式を横断し、暗号化、標準API、信頼された実行・描画、鍵・ライセンス、出力制御、適合性運用を一体として利用できる共通層は確認できませんでした。
- 既存基盤を確認電子出版、積層造形、電子設計IPなどには、暗号化、ライセンス、利用制御を組み合わせた用途別基盤があります。
- 共通経路の空白一般Web・複数形式横断で、形式、標準API、信頼境界、鍵・ライセンス、出力、適合性を接続する経路が課題です。
- 構造データの性質Live2Dや3Dなどは表示・操作に再利用可能な構造データが必要で、取得後の改変・組込み・再販売に利用され得ます。
- 判断材料の不足不正取得・再利用、対策費用、削除対応、正規利用への負担を共通の方法で測る公的データが不足しています。
技術的保護格差は、個別技術の有無ではなく、必要な複数層が接続され、権利者が費用と運用の面でも現実に利用できるかどうかの差です。本提言は、DRMの義務化やコピーの完全防止を求めるものではありません。
委員会について
用途別の保護基盤を尊重しながら、一般Web・複数形式横断で不足する接続と運用条件を検証する委員会です。
差は「原本が存在するか」ではなく、利用目的を達成するために再利用可能な構造データをクライアント側で処理する必要があるかどうかです。一般的な映像配信では制作原本を視聴者へ渡さずに視聴を成立させられます。一方、Live2Dや3Dなどは、表示や操作に構造データが必要です。
BOOTHの3Dモデルカテゴリは2025年に年間取扱高約104億円、年間注文件数約774万件と公表されています。ただし、市場規模は被害額を示すものではありません。被害と対策費用を測る基礎データが不足しているため、最初の提言を実態調査としています。
本委員会は、確認できた事実、分析上の推論、政策として求める事項を区別し、個人クリエイターや小規模事業者だけに対策負担を集中させない方策を検討します。
- 事実の確認国際規格、行政資料、事業者資料、研究論文を確認し、確認できない事項も明記します。
- 五つの政策提言実態調査から国際標準化への参画支援まで、介入度と時間軸を分けて提案します。
- 継続的な検証専門家、事業者、クリエイターから意見を受け、技術的実現性と社会的影響を検証します。